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葬儀に関する豆知識

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エンディングノート〜残された遺族が困らないために〜

自分の終焉に関する「思い」を前もって記しておくエンディングノート。

延命治療をどうするか、自分の死後はどうするか、残された家族に自分の考えを伝えるために、

非常に便利なノートです。

しかし、その「困らないための」エンディングノートが、逆に遺族を困らせることがあるのです。

ここでは、エンディングノートを有効に使うためには何に注意すべきか、残す側と託される側、それぞれの立場から見てみようと思います。

エンディングノートとは

「自分らしい最期を迎えたい」「後に残される遺族たちに苦労をかけたくない」と、
元気なうちに自分で葬儀の詳細を決めておく、いわゆる「終活」が増えています。
この終活ブームの象徴とも言えるのが、エンディングノートです。
 
内容は様々ですが、主な内容は、銀行口座、保険、クレジットカードなどのID・パスワードなど、
自分しか知らなことをしっかりと記録しておいたり、
終末期医療はどうするか、お葬式はどうするか、財産処理についての自分の考えを記しておきます。
 
上記のような実務的なものの他に、家族への思いや感謝の気持ちなどを自然な形で残しておけるのも魅力です。
 

エンディングノートの書き方に決まりはない

エンディングノートは書式、内容全て自由です。
自分自身を振り返るような日記のような形や、パソコンの中に残しておいたり。
最近では表紙に「エンディングノート」と印刷デザインされている既製品も売っています。

市販の大学ノートに記す

表紙に必ず「エンディングノート」や「〇〇(名前)備忘録」など、一目でエンディングノートだとわかるようにしておきましょう。
普通のノートなので、自分の都合に合わせてページ構成が作れます。
 

パソコンのワードやエクセルを利用

必ず、パソコン起動時のパスワードがわかるようにしておきましょう。
もともと、パソコンで様々なことを管理している方にオススメです。
自分でホームページをもっていたり、SNSの管理、ネットバンキング、ネットショッピングのIDなどをまとめておくのはPCの方が断然効率的です。
 

既製品「エンディングノート」を使用

書き残すべき内容が、すでに項目立てされているので、何から書こうか悩む方にはオススメです。
大型の書店や通販、ネットショッピングで購入できる他、
無料でダウンロードできるサイトや最近ではエンディングノートアプリまで登場してます。
ここで忘れてはいけないことがあります。
どの書式でもエンディングノートをつけていることを必ず家族や親しい人に伝えておきましょう。
 
せっかく、エンディングノートをしたためていたのに、活用されないのは残された遺族や人々にとって非常に悲しいことです。

市販のエンディングノートはどうなってるの?

人に見せびらかすものでもないので実際のエンディングノートを見る機会は
それほどあるものではありません。
 
既製品のエンディングノートは一体どんな感じなのでしょうか。
 

エンディングノートのデザイン

まずは見た目のお話から。
残るものですし、見た目って大事ですよね。
 
書店で売っているものや、無料でもらえるものなどは、爽やか系や癒され系のデザインが多いです。
 
最近では、スタイリッシュなものも増えてきているので、数多く探せるネットがオススメです。
意外なところでは、Creemaなどのハンドメイド品の販売サイトで、素敵なハンドメイドのエンディングノートを販売しているので活用するのも良いですね。

既製品「エンディングノート」の主な項目

ここで、既製品のエンディングノートにはどんな項目があるのか少しご紹介しましょう。

プロフィール

名前、生年月日、住所、本籍、血液型、好きな食べ物、趣味、
経歴や自分史など

個人情報

スマートホン、プロバイダー、SNS、定期契約のもののID、パスワード
電気、ガスなどの会社名、その引き落とし口座など
 

医療・病歴

持病、アレルギー、常用薬、延命治療・臓器提供を希望するかしないか、
かかりつけの医療機関など

財産について

現金、預貯金の口座、通帳、印鑑保管場所、
生命保険の保険証券の保管場所、不動産、有価証券に関する情報など
 

遺言書について

遺言書の保管場所、預け先、種類など。
※エンディングノートは法的効力がないので遺言書の代わりにはなりません。
別に作成する必要があります。

連絡先一覧

友人や親族、仕事関係の連絡先を書き留めます。
 

親族表・家系図

家族が会ったことがない親族もいるので、親族表があるとわかりやすいです。
 

家族へのメッセージ

なかなか面と向かって言えない感謝の気持ちを書きとめたり、残したいメッセージを書き記します。

自分にあったエンディングノートを選ぶ

エンディングノートなんて、そんなに種類はなさそう・・・と思っているあなた、
実は、最近は様々なデザインや内容のものがあるのです。
 
そして、いざ選び始めると、意外とどれにしようか悩むという方も。
迷った時は、見た目が自分の好みであることと、全体的にシンプルなもがオススメです。

エンディングノートをめぐるトラブル

終活ブームの中で欠かせない、エンディングノートですが、
時にはその「エンディングノート」が遺族にとって重荷になる場合があります。

亡くなられたお母様希望の葬儀プラン

親御さんを亡くし、初めての喪主を務めることになったAさん。
亡くなられたお母様はきっちりした方で、しっかりとエンディングノートを作成していました。
おかげで、葬儀社もすぐ決まり、親族、知人への連絡もスムーズに行きました。
 
しかし、一点、お母様の願いを聞いてあげられないことがあったのです。
 
エンディングノートにあった「会場は大好きなバラの花で埋め尽くして欲しい」という願いです。
あまりにお金がかかりすぎるため、断念したのでした。
 
このお母様の願いを叶えられず、Aさんは葬儀後、
なんとも言えない後ろめたさを感じ、それが心に引っかかったままだと言います。

「葬儀に金はかけるな」と書かれたエンディングノート

自営業だったBさんは生前から「俺の葬儀には金はかける必要はない」と言っていて、
エンディングノートにもそう書かれていました。
奥さんはそのノート通り、極力お金をかけない葬儀を執り行いました。
 
しかし、出費を抑えるということで、通夜の席でお酒も食事もなしにしたことが、
親戚から反感をかってしまいました。
せっかく駆けつけてきたのに、お茶だけでさっさと帰る感じになってしまったのです。
 
ちゃんと「故人の希望で」と説明はしましたが、親戚たちはなんとも寂しく思ったようです。
親戚の方も、久しぶりに会った親戚と故人との思い出話しをし、もっと故人をゆっくり偲びたかったことでしょう。
 
Bさんの奥さんは、夫の希望を叶えたのに、親戚からは反感をかってしまうという悲しい結果を出すこととなってしまったのです。
 
残される家族が困らないようにと書いたエンディングノートですが、
場合によっては、逆に遺族を困らせることもあるのです。
 
もう故人はいない分、確かめることもできず、
解決策が見つかりにくく、トラブルが長引くことも・・・。
 
エンディングノートを書くときには、書き残したことは正直な自分の気持ちではありますが、
「それを後で家族が見て困らないかどうか」も念頭に置いて作成していくことが大事です。
 
そして、必ず事あるごとに「過去に書いた事」を読み返してみましょう。

エンディングノートに書いて欲しいこと

残す側のメッセージであるエンディングノートですが、前項のように、残してから不都合が発生するのは困ります。
 
そこで、ここでは「残された家族が葬儀を執り行うにあたり困ること」を挙げてみようと思います。
 
①連絡
②お金
③手順
④処分
 
大きく分けると上記の4つがポイントです。

① 連絡

まず最初に困ることとして「訃報を誰に知らせれば良いのか」があります。
特に家族葬で参列者を絞るときなど、携帯電話に残った番号だけでは関係性がわからなくて不十分なのです。

②お金

これは2つ、重要なことがあります。
「お金のありか」と「お金の使い道」です。
銀行、保険、株関連などまとめておいておくとスムーズです。
使い道も「何にどのくらいお金を使えば良いのか」などある程度の目安を示してあげます。

③手順

葬儀のイメージがある場合、前もって手順を書いておいてあげると、葬儀社の言いなりにならずに済みます。
そして、お墓の事やお寺との付き合い方の手順もあると便利です。

④処分・分与

何をどう処分してもらうかを書き残しておくと、残された家族も動きやすくなります。
物もそうですが忘れてならないのが、ペットです。
ペットは誰に託すか、大事な命です、とても重要なことです。
 
処分といえば、財産分与などもありますが、こちらに関しては少し違います。
エンディングノートには法的効力はないので、遺言書として別で残しておきましょう。
エンディングノートには、遺言書が別に存在していることと、その所在を書いておきます。
 
最低限この4つをエンディングノートに記しておけば、最大のイベントである葬儀や葬儀後も遺族は困りません。

エンディングノートを作るきっかけ

最後にエンディングノートを作るタイミングについてお話ししようと思います。

エンディングノートを作るきっかけ 1 病気になったとき

特に大病をした方で実際に死をリアルに感じて初めて、エンディングノートを作り始めるという場合があります。
体調なども心配ですし、急変もあり得る状況では、冷静に書き込めるかが心配なタイミングです。

エンディングノートを作るきっかけ 2 年齢

70歳になったからなど年齢をきっかけに作成を考えるということもあります。
還暦、古稀、喜寿などなど、お祝い事をきっかけにするのも良いかもしれません。
元気なうちに書き始めると、余裕を持って考えられます。

エンディングノートを作るきっかけ 3 人生の節目

定年を迎えたとき、結婚、離婚、子供や孫の誕生、伴侶の死など経済状況やライフスタイルが変わったときも、エンディングノートに取り掛かるのにちょうど良いです。

エンディングノートを作るきっかけ 4 思い立ったとき

はっきりしたきっかけがなくても、「思い立ったが吉日」といった具合に、書き始めるのも良い選択です。
「書店でたまたま見かけて購入してみた」「何かを契約したらエンディングノートが付いてきた」など、
「たまたま」をきっかけにはじめてみる事もおすすめです。
 
個人個人さまざまな事情がありますが、できれば、まだまだ元気なうちにエンディングノートを書き始め、
周りの人とも相談し、何か変化あったら書き加えて行くというスタイルが一番良いです。
 
「エンディング」とはいえ、常に更新して行く・・・・
エンディングノートの情報は新鮮でなくてはならないのです。
 
しかし、「エンディングノートあった方が良いなぁ」とはわかっていはいても、死にかかわると思うとなんだか重いと感じますよね。
 
「エンディングノート=終活」と考えると重い印象を感じる方は、自分史や振り返りノートとして制作を始めるのはいかがでしょうか?
軽い気持ちで書き始め、更新してけばいつの間にかエンディングノートが出来上がっていきます。
そして、いざという時にきっと役に立つこと間違い無し!なのです。