遺体搬送だけ依頼する〜通夜・葬儀で後悔しないために〜
大切な人を看取り、悲しむ時間もつかの間、すぐ手配しなければならないのが葬儀社です。
しかし、急なことで気も動転し、とても正しい選別ができそうにもない！
そんな時、葬儀屋さんに「遺体搬送」のみお願いできることをご存知でしょうか？
こちらでは、意外と知られていない葬儀社の遺体搬送について話ししようと思います。
目次
葬儀社に遺体の搬送のみを頼むコツ
病院で紹介された葬儀屋さんに遺体搬送から葬儀までを頼むことが多いですが、
搬送とお葬式は、別の葬儀屋さんに依頼することができます。
病院の霊安室にはずっといられないので、葬儀社はすぐ決めなきゃ！となりますが、
葬儀社を適当に選んで、後で後悔するくらいなら、
とりあえず、搬送だけお願いするという方法があるのです。
必ず「遺体搬送だけお願いしたい」と、明確に依頼する
様々な事情により葬儀を執り行う場所や規模に親族で検討が必要な場合には特に、
葬儀社をすぐには決めるのは困難です。
最初の問い合わせの時点で、「遺体搬送だけ頼みたい」と最初に申し出ましょう。
後々のトラブルにならないように、はっきり明確に伝えます。
葬儀を予定している場合には、見積もりを見てから検討したいと伝えましょう。
この時に、嫌な顔する業者がいたら、それは良くない葬儀社です。
もし快く搬送を行なってくれたら、それは良い業者なので、葬儀の見積もりも早速頼みましょう。
遺体搬送専門の業者に依頼
病院で紹介してくれることは少ないですが、遺体搬送専門の業者もあります。
専門というだけあって、飛行機での搬送も受け付けたり、
遠方の故郷にご遺体を搬送したいなどの特殊な場合に依頼する場合が多いです。
昨今では、ネットで簡単に問い合わせられることもあり、近距離での依頼も増えています。
遺体搬送の流れ
ところで、遺体の搬送とはどんな流れなのでしょうか。
一生に何度もあることではないので想像もつかないですよね。
病院での臨終後の処置も終わると、病室から霊安室に移動になります。
この時、看護師さんに聞かれる言葉が「この後はどうなさいますか？」のフレーズ。
そして、まだ気が動転している遺族は、
たいてい「逆に、どうしたら良いですか？」と聞き返します。
看護師さんはこう言います。
「まずは、ご遺体の搬送の手配をお願いします。」
霊安室には数時間程度居られる病院が多いようですが、
なるべくすぐに、遺体の搬送をしてくれる葬儀社を選ばなくてはなりません。
遺体搬送の手配から安置、支払いまで
遺体の搬送先の決定
葬儀をどう行うかで搬送先が変わるので家族で話し合います。
葬儀屋さんや遺体搬送業者に依頼の電話をする
前もって決めていれば、特定の業者に電話をします。
病院が提携葬儀社を紹介してきたりしますが、断っても問題ありません。
もし事前に決めていなければ、病院におていあるパンフレットを見たり、
看護師さんにオススメの葬儀屋さんを聞いても良いでしょう。
もし遺体搬送のみお願いしたい場合は、このタイミングで話しておきます。
搬送先の準備（自宅の場合）
家族で手分けして行います。斎場であれば準備は不要です。
葬儀社もしくは遺体搬送業者が到着する
葬儀の依頼については搬送後、今一度、見積もりを見てから決定したい旨を伝えます。
搬送先の情報をできるだけ詳しく伝えます。
遺体の搬送
故人の思い出の場所を通るなど、遠くなければ要望を聞いてくれる場合もあります。
遺体の安置
搬送のスタッフが故人の信仰、宗教に沿った安置の仕方で行います。
搬送のみの場合は費用の支払い
安置終了後、その場で即支払う場合が多いです。
ドライバーに直接現金で支払う場合とクレジットカードや電子マネーでも支払える場合もあります。
葬儀全体もお願いしたいと思った場合は葬儀内容を相談し、見積もりをお願いします。
特に初めてのお葬式のときは、どうして良いかわからないですし、
遺体搬送時にこの後の葬儀関連についても相談したくなりますよね。
このとき、搬送しか頼まないし・・・と遠慮することはありません。
葬儀社の場合なら特に、気になることはどんどん聞いてみましょう。
遺体搬送にかかる費用の相場
ここで気になる遺体搬送の費用ですが、主に距離で金額が変わります。
一般的には遺体搬送の基本料は距離10km以内で、12,000円〜20,000円です。
ここで注意しないといけいないのが、この「距離」に関して。
病院から搬送先までが基本料金ではありません。
葬儀社から病院の距離も合わせたものなのです。
【葬儀社→病院＋病院→搬送先】＝12,000円〜20,000円（10km以内）
ということなのです。
タクシーの迎車と同じ方式ですね。
そして、10kmを超えたら、10kmごとに3,000円〜5,000円程度加算されます。
なので、病院と搬送先が近くても、葬儀社が遠い場合は追加料金がかかることになります。
その他にも、お棺、ドライアイス代、安置にかかる費用などが別途なのです！
結局、搬送基本料以外でも4万円ほどかかると言われてます。
これは搬送依頼時に追加料金がどこまでかかるのか、必ず聞いておかないといけませんね。
遺体搬送で追加料金が発生する可能性のある項目
基本料金以外で追加になる項目は思いの外多いです。
ちょっと書き出してみましょう。
・基本料（10kmまで） 12,000円〜20,000円
・追加距離10kmにつき 3,000円〜5,000円
・早朝深夜料金 4,000円程度
・高速代など
・冬季割増料金
・寝台車のグレードを上げると割り増し
・待機料 60分 5,000円〜10,000円
（依頼者の都合で搬送者を長時間待機させる場合）
・お棺
・防水シート
・ドライアイス
・納体袋
・シーツ
・安置に使用する道具（白木の机）
これら一式が細々と追加され、予算としては少なくても5万円。
搬送先が50kmなど遠い場合は、8〜10万円はみておいたほうが良いです。
例えば、寝台車を待たせて追加料金などになってしまったり、
頼んだ葬儀社が病院や自宅から遠いなど、余計なお金が数万単位でかかってしまう・・・などがあり得るのです。
こうやって見てみると、葬儀社との事前相談の重要性がわかりますね。
遺体搬送のみを頼むデメリット
葬儀社を慌てて決めなくても良いというメリットが魅力的な「遺体搬送のみの依頼」ですが、
良いことばかりではありません。
費用のくだりでもお話ししましたが、遺体搬送だけとはいえ、そこそこまとまった金額が必要です。
同じタイミングで、入院代の支払いも重なり、高額な現金を数十万単位で数時間で用意せねばなりません。
葬儀屋さんに葬儀全体も頼めば、現金をやりくりする時間があります。
搬送代の支払いも葬儀費用と一緒に後日まとめてということも多いからです。
搬送のみお願いして、安置後、ゆっくり葬儀社選びができるのは良いのですが、
いちいち複数の葬儀社に同じ説明をして見積もりをもらうのも遺族にとっては負担になります。
わりと病院や自宅から近く、信頼できる葬儀社に前もって相談してみる。
これが、理想的な方法です。
しかし、事前相談が気が進まないということもありますよね。
そんな場合は、臨終後、遺体搬送のみまずはお願いし、
その葬儀社が感じが良ければ葬儀全体もお願いするといった流れでも、間違いはないと思います。
